申年の幕開け、皆様はどのように過ごされましたか?
私は家に閉じこもりがちになる極寒の地で、元日に意を決して散歩に出かけました。
両親の飼い犬であった黒ラブのクロの散歩コースの川沿いの道を行きかけて
ふと、もう一段上の道路の柵(ガードレール)に目がとまりました。
ずいぶん長い間、通ったことがなかったので今はどうなっているのか
ルートをはずれて様子を見に行きました。
夏の間は草木鬱蒼として近づく気が起きなかった場所ですが
冬はかなり見通しがよくケモノの気配もしませんでした。(そんな勘は特にないけど)
車も通れる幅の坂道の上り口に着くと、その先は除雪されていませんでしたが
人の通った足跡がありました。
誰かが通った跡を辿れば坂を越え、また散歩ルートに戻れるので
少し冒険して歩を進めることに。
なんと言っても子供の頃にスキーですべった山の麓なので
どうなっているのか上を見てみたいという気にもなったのです。
少しの傾斜のついた道
誰かが残した足跡を辿るとは言え
積雪もあり進むたびに身体が沈み、バランスを取る必要もありました。
マスクもしていて、寒くはないですがどんどん息が上がってきます。
どうも感覚が子供の頃に戻っていたのか
大人の男の人の足跡だと最初から思っていました。
私の歩幅よりやや広いからです。
しかし冷静に考えると私も小さくない大人であり、
そんなに変わらないはずなのに、、、と気づき、
さらに
顧みるに実は一度もちゃんとした
靴底の跡は見ていないことを再認識。
まさかね、、、
積雪もあり深さもあるのではっきりとは分からないのですが
時折クッキリと見た事がない跡があるのです。
やや動揺しながら景色などよりも、足跡の正体を探ることに集中し(探りたくないけど)
数歩先についに見事な二つの蹄を確認するに至りました。
’うむ~ヤバい’という感覚をからだに感じながらも
戻るのもしんどい
そして上れば上る程、先の景色が見たくなるという気持ちが勝り
見知らぬ土地ではないし、明るい昼間なのだからと
そのまま
ケモノの辿った道をゆくことに。
距離にするとほんの
2百メートルくらいでしょうか
しかし
気軽な午後の散歩にしては
消耗する行程となりました。
雪をかきわけ、歩きやすい道が出てきても
こうなったらケモノの道を走破(走るのは気持ちだけ)
ということで
樹々を抜け、キタキツネと思われる小動物の駆け回る跡を横目に
ついに合流地点にたどり着いたのです。
見る景色は鹿の視線と同じという気分。だいたい。
鹿の足跡は車道で一旦途切れ、次の丘の始まりから軽やかに(想像)上っていました。
二足歩行の私はそこまでです。
申年のついたち、午後の散歩は ’鹿になる’ でした。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
こうだ みやこ
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振り返れば 人(わたし)と鹿の合体足跡 |