2012年7月11日水曜日

ワイルド シリーズ 1 「クロちゃん」

子供達(私と妹)が独立してから
両親だけの住む家で
黒ラブを飼い始めました。

「何故、黒い犬?
犬はベージュでしょ。ちょっと怖いよ~」と
思いつつも
遠くの地に思い馳せ
「名前何にする?」と盛り上がったのは
私たち姉妹だけでした。

そもそも犬の名は
募集もされていませんでした。

結局、犬は飼い主には
名前をつけてもらえず、
近所の子供が
勝手に呼んでいた「クロちゃん」というのが
いつのまにか愛称になっていました。
(まずは帰省した時の私たちの間で)

なぜ名前をつけてもらえなかったかというと
飼い主がワイルドだからでしょう。
「犬に名前なんかいらない」というようなご意見。
(私じゃないよ~、私は車にも名前つけるくらいだから命名好き)


クロちゃんは飼い主の狩猟のお供のはずでしたが
撃った鴨をとってこなかったので
すぐにお役ごめんになったそうです。

クロちゃんは子犬の頃から私たちの曾祖父似の老け顔でした。
何かしでかしたわけでもないのに
「かわいそうな感じがする犬」と
母親がよく言っていました。

夏休みに遊びに行った時のこと。
姪とうちの子がクロちゃんを
洗うことになりました。
お風呂場から楽しそうな声が聞こえていたというのに
思わぬ事件が発生したのです。

突然クロちゃんの
首からダラダラ血が流れはじめたというのです。
確かに流れていました。

風呂上がりのクロちゃんは何事もないふうでしたが
(顔は元からかわいそうだから)
それがまた不気味で
私は、たぶん青くなりながらタウンページにて獣医を探し
「傷は見えないんですけど
ダラダラ血が!そんなことってあります?
とにかくこれから行きます!」というような
あわてぶりでした。

さて、、、、と、車に乗せる準備をしようと
クロちゃんをよくよく見たところ
ポタポタの血が、ちょうど皮製の首輪からしたたっていました。
最初は首輪で怪我?とも
思いましたが・・・

そう!
その首輪の色は赤でした。
はじめてつけたおしゃれな首輪。
その赤がしみでて血のように流れていただけだったのです。

血がどんどん流れるということに
パニックになった私たち。

手つかずという意味では家族全員ワイルド?